鈴木日記

4月7日 晴れ

今私は理解できない状況下に置かれている。
昨日新入社員の田中を研修後飲みに連れて行った。典型的な使えない若者である
田中を今後鍛えていかなければならないためのコミュニケーションの一環としてだ。
田中は私の奢りであるのをいい事に信じられないほど飲んだ挙句
このあとキャバクラ行きましょうよ!キャバ!と言って強引に私を引っ張って行き
高そうな店に入った。そこで女の子に流され私もつい飲みすぎてしまった。
記憶があるのはそこまでである。
今私は見知らぬ家のベッドの上にいる。田中は床で寝ている。
調度品や窓の外の景色を眺めるにここは日本では無いようだ。
おそらくあのキャバクラはどこかのマフィアの経営で私達は金銭を取られた上拉致されたに
違いない。もう生きて帰る事はできないかもしれないので私の人生の証として
出切る限りこの手帳に記録していきたいと思う。
願わくばいつか愛する妻と娘にこの手帳が届きますように。

田中はまだ寝ている。

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