タツミ「おお、ワルっぽくだってさ♪ じゃあ少しディープなオトナの話をしようか?」
アルス「はぁ? 俺はいいけど……なんでノリノリなんだよお前、なんか企んでるだろ」
タツミ「別に~。まずは可愛らしく、今のD談義からとある読者様の一言より、お題。
   ぶっちゃけアル君、まさかDじゃないよね? だから最初が聞きたいなー」
アルス「っかぁ! アホか。つまんねえ話だぞ。実ははっきりしねえし」
タツミ「はっきりしない? よけい聞きたいんだけど」
アルス「しゃあねえなぁ」
アルス「とりあえず、俺んちの向かいにある天下のルイーダ's バーだがな。
   腕っ節が自慢の冒険者なんざ、8割は魔物狩りで金を稼いでる荒くれまがいだ。
   そんなんが世界中から集まってりゃ、当然、酒と賭博ともう一つ、
   夜の人材派遣が相当な稼ぎになるんだが、そういうのと間違えられたんだよ、俺」
タツミ「おっとぉ。それはそれは」
アルス「俺もガキの時分は不用心というか、好奇心に勝てなくて、つい覗いてみたワケ。
   ま、宵の口はカワイイ坊やに薄めたラムを舐めさせて笑ってるだけの、
   気のいい酔っ払いばかりだったんだが、長居しすぎて客相が変わってな。
   いつの間にかガラの悪い女パーティーの席で飲んでて、ラリホー耳打ちされてから記憶がねえ」
タツミ「それでも女の人が相手ならねぇ。不幸中の幸い?」
アルス「けっこう美人揃いだったしなw 目が覚めたら城の医務室で、しかも王様が見舞いにきてたよ。
   よそ者だったから、まさか俺がオルテガ・ジュニアとは思わなかったんだろう。
   可哀想に、そのあと彼女たちを一度も見たことがない。国外追放じゃ済まないだろうしなぁ」
タツミ「ほえ~! アルって本当に特別扱いだったんだねー」
アルス「俺がじゃない、オルテガの名前がだ。死んだ後もかなりの客寄せになってたからな、
   経済効果を考えりゃ、引き継がせる前の俺に、くだらねえスキャンダルは御法度だ。
   あのババアも監督不行届で裏稼業はしばらく停止。かなりのあおりを食らったろうよ」
タツミ「お客さんにとってもいい迷惑だw ルイーダさんが君を嫌うわけだよ」
アルス「まあな。んで問題はほら、記憶がねえって言ったろ? マジでまーったく覚えてねえのよ。
   現場に駆けつけたのは正規兵だけで、箝口令でその時の状況はどんなに聞いても口割らねえ。
   俺を嫌ってる連中は『アバズレに食われてざまあみろ』って今でも酒の肴にしてるが、
   実際は未遂だったんだか最後までイっちゃったんだか、真実は闇の中。
   お前ならどう思う?」
タツミ「どうっていうか……五体満足ならどっちでもいいよね。僕ならどうでもいい」
アルス「お前もそう思うか。まぁ俺もそう思ったから、今の今まですっかり忘れてた話だ。
   いつ内臓ブチまけてくたばるかもしれない身で、そんなん騒いでもなぁ」


タツミ「あーあ、Y談にもならなかったねー」
アルス「だからつまんねえっつったろ。……それより、こんな話だぜ。持ってねえの?」
タツミ「ちょっと、マジメな首席奨学生にそれを聞く?w 高校入る前にスッパリやめたよ」
アルス「なんだよシケてんなぁ」
タツミ「うっそ。そう言うと思って持ってきた。――って、ゴメン。ガス切れてやんの」
アルス「メラ。100円ライターでも簡単には着けらんねえんだなw あ、意外とうまい」
タツミ「そう? 僕にも……ちょ、動くな……。ん、どうも」


タツミ「んじゃ次のお題ー。なんで魔物ってお金持ってるの?」
アルス「つくづく性格悪いな……お前くらい頭良けりゃわかるだろ」
タツミ「魔王が仕組んでるのはわかるけど。くたばった冒険者の金も自動回収で流通に戻るなら、
   悪い話じゃないと思うんだよね。まあ、裏はあるんだろうけど」
アルス「わかってんじゃんw
   冒険者なんて、結局どっかの死人が持ってた金をあさる因果な商売さ。
   でも腕に自信があるなら一番手っ取り早い稼ぎ方だ。今や世界中に冒険者が溢れてる――。
   そこで問題、冒険者って、なんでしょう?」
タツミ「生産性はないしなぁ。減価償却資産? その価値がすり減っていくだけの人たち。
   やめる頃には使い物にならないのがほとんどっぽいしね」
アルス「ご名答。一見そいつらが世界中に金をばらまいてるお陰で活性化してるように思うが、
   血を流して稼いでる連中の掃き溜めがいくら潤ったところで、いずれそこから腐っていくだけだ。
   なまじ優秀なヤツほど冒険者になりたがり、より多く稼ぐために強い魔物に挑んでは死んでいく。
   強い魔物ほど多くのゴールドを持つって習性も、実にうまく機能してるよ」
タツミ「そして若い働き手がいなくなり、潰れる街や村も増える。人類社会は緩やかに廃退していく、か」
アルス「そこまでわかってて、その仕組みを最大限に利用しつつ、『正義』を掲げて魔王打倒を誓う。
   勇者なんざ一番ヤクザな稼業だよなぁ。相応の代価もあるがね」
タツミ「他の冒険者と違って、『ダメでしたぁ、テヘ♪』じゃ済まないもんねー」
アルス「そゆこと。……くはは、『現実側』からゲームを見たときは笑ったぜ。
   そういう裏事情は見事にカットされてんのな」
タツミ「天下のドラクエで、そりゃ表に出ちゃヤバイでしょw」
アルス「うん、だから安心した。夢とロマンの冒険活劇に見えてるなら、そのままの方がいい」

アルス「よーし、次はお前の番だろ?」
タツミ「そろそろ行数も足りなくなってきたし、今日はここまで♪」
アルス「お、お前ってヤツぁ~! 人に語らせるだけ語らせといて、自分は逃げる気か」
タツミ「行数がないだけだってば~」
アルス「違うだろ。俺がユリコとハグしたからムカついたんだろ、実は」
タツミ「……アハ、バレた? 君ってば、どさくさに紛れてあの豊満なプルプルを堪能しやがって」
アルス「不可抗力だっつーの。プルプルとか言うな。ってか、フッといて俺の女扱いかよ?」
タツミ「いいじゃん、番外なんだから。多少の本音は許してよ。ふみゅ~」
アルス「はいスネないスネない。俺も以後気をつけますから」
タツミ「じゃあいいよ。――さて、そろそろ僕もピュアな本編仕様に戻るかな」
アルス「じゃあ俺も、正義感の強い純粋勇者に戻るかねぇ」
タツミ「次はゲームサイドみたいだから行くね。バイバイ」
アルス「おう」


タツミ「ま、そんな世界でも全部背負って救おうってんだから……すごいよねぇ」

ページ先頭へ
もし目が覚めたらそこがDQ世界の宿屋だったら@2ch 保管庫