ぼくは前の世界ではふつうの高校生だったはずだった。 それが運悪く、理由もわからずにいつものように起きたらこんな世界にきていたのだ。 一昔前のマンガじゃあるまいしあってはならないことだ。 いまは勇者になったんだ。戦いもしらないぼくが…。 広いフィールドがおそろしかった。 なんどかモンスターに襲われた。村まではまだかかるというのに、みんな疲労しきっていた。ぼくは剣もふるえずただたっていた。 女武闘家「ちょっと、勇者なんでしょ!?戦いなさいよ!」 モンスターの群れにでくわした。…もう…駄目だ。 男戦士「ナナ回復してくれ」 女僧侶「魔法力がもう…ないんです…」 もう終わりなのだろうか。 まだ会ったばかりで何もしらない母だけど、またアリアハンに帰りたい。あの人の姿が目にうかんだ。実の母のようにあたたかかった笑顔にあいたい。 戦士のサイモンが、僧侶のナナをかばって深手をおった。 武闘家のエリーだってもう戦えるHPなんか残ってやしない。 この3人が戦うのは、なんのためなんだ。…そうだ仲間のため、みんなのために明日のために、戦うんだ! ぼく「モンスターたちよ来い!勇者が相手になってやる」 戦えるんだ!体だって動いている! 女武闘家「は、はやい」 ぼく「はあああああっ!」 一撃二撃。のこりあと2匹倒せば戦いが終わる。 これで最後だ! 男戦士「すげえ…、すげえじゃんか、ゆきひろ!」 ぼく「サイモン、大丈夫か」 女僧侶「ごめんなさい…私…足手まといになって…」 ちがう…。弱いのはぼくだ。 女武闘家「あんたはタフそうだから大丈夫よね」 男戦士「ちぇ。あ、ナナ大丈夫だから心配するなよ。…ほら。あれ、あそこ村か?」 レーベの村がみえた。