ぼくたちはというと、嵐のために村から出れない状況にあった。冒険2日目の朝。 宿屋の店主「この時期にはよくあることなんだが、なんだかいつもより激しいみたいだね。なにもできないがゆっくりしていってくれ」 ぼく「はい」 宿泊費もばかにできない。かといってすることもない。なるようにしかならない。 男戦士「この嵐がなきゃおれたちも故郷に帰れたんだがな。ナナとは幼なじみでね。船での旅の途中にアリアハンによったんだ。 数日間滞在していたがこの嵐で、のってきた船が沈んじまったのさ。もう一年にもなる。すっかりくさっていたが、あんたと旅ができることになるとはわからないもんだな…」 ぼく「へえ…」 男戦士「昔語りをするにはこういう日しかない、嵐ってのはふあんにもなるが不思議とおちつくんだ。おれはな」 すこし年上のサイモンがひどく大人にみえた。 ぼくはオルテガの息子、世界の希望…。違うんだ、本当はただの高校生にすぎない。でもいえない。いまはまだ…。 男戦士「別室の女たちはなにやってんだろうねぇ。ちょっとみにいくか?」 ぼく「ああ、そうだね」