巨大国、ロマリアを離れて北へ向かうことになった我ら勇者一向…。 装備をそろえたものの、あいかわらずこの地域は強いモンスターがよく現れる。 エリーはほぼ素手だったので、敵の防御力についていけないようだったのだが…。 エリーはすこし何かに、悩んでいるようだった。 なんなのだろうか。 ぼく(男勇者ゆきひろ)「エ…」 男戦士サイモン「ふう…。なんか嫌な予感がするんだよな」 エリーと話そうと思ったがタイミングが悪かったようだ。 ぼく(男勇者ゆきひろ)「嫌な予感って」 男戦士サイモン「あのロマリアの国王さ。あの王サマが、俺にひどい災いをもたらす気がするんだ」 ぼく(男勇者ゆきひろ)「国宝を見つけて渡すだけだし、変な事にならないと思うけど……」 男戦士サイモン「まっ、そうであることを祈るだけだ…俺、嫌な予感は七割の確立で当たるんだ」 不幸な特技だな…。 ぼく(男勇者ゆきひろ)「もう、日が暮れるね…。今夜はあそこでキャンプにしよう」 パチパチと薪の火の音がする。静かな夜…。 その静寂さのなか、夜行性の怪物達のうめき声が時折聞こえる。 街や村のベッドが恋しい。 サイモンとナナは先に眠った。 ぼくとエリーはその間、二時間の番をするわけだ。キャンプは危険だから、交替で寝るのである。 母は元気だろうか……。 長い夜は始まったばかり。