美しい月だった。 どの世界でも夜空はキレイなんだ。 女武闘家エリー「ねえ」 ぼく(男勇者ゆきひろ)「あ、うん」 女武闘家エリー「あたしのコトどう思ってるの」 ぼく(男勇者ゆきひろ)「どうしたの」 女武闘家エリー「あたしは、力じゃサイモンに勝てないし…。ちゃんと、役に立ててるかな?」 ぼく(男勇者ゆきひろ)「ぼくも、そんなこと言われたらさ、魔法使いにも僧侶にも戦士にも、武闘家にも勝ててないと思う…。あと、申し訳ないけど」 女武闘家エリー「…うん」 ぼく(男勇者ゆきひろ)「エリーはサイモンよりも、力とスピード、あるって。きっとどこかで、その力をセーブしているんだ」 女武闘家エリー「……あたしは、自信がないんだ。偉大な人のために役立ちたくて、でも、その人は、遠くて、身近すぎて、考えるほど、自分が分からなくなってくるの」 ぼく(男勇者ゆきひろ)「その人ってオルテガのこと?」 女武闘家エリー「って、偉大なのはあんた!…あなたの事よ」 ぼく(男勇者ゆきひろ)「ぼくが…偉大…?」 女武闘家エリー「…違うわ、これからあなたは偉大になるの…、きっと。血と使命が、将来あなたを偉大にするわ、誰もがあなたを讃える。その時に平和が……訪れてるの」 買いかぶりすぎだ。 オルテガの名は重すぎる、ぼくには…。 ぼく(男勇者ゆきひろ)「じゃあ、平和が訪れたら、エリーも偉大な仲間として語られていくよ。ぼくと一緒に」 エリーの瞳にぼくがおおきくうつっている。 女武闘家エリー「一緒ね!」 エリーはその時笑顔で笑った―。