ガサ…と音がした。 剣は…! 女武闘家エリー「誰!!?」 薪の火がいつのまにか消えていた。姿はよく見えないが、この体重を感じられる足音や、鼻からなくような声には覚えがあった。 イノシシによく似ていて、ドラキーなどの飛行系の仲間とよく出現するモンスターの気配である。 こいつらを相手にするのには、ぼくらが四人揃っていなければ勝ち目がない。 しかし、テントには二人が眠っている。逃げることはできない。 大声で叫べば二人は気づくかもしれない、しかし、周囲のモンスターを呼び寄せることにもなってしまう。 つまるところエリーとぼくが倒すしかない!! ぼく(男勇者ゆきひろ)「エリー!離れるな!エリーならこいつらの気配が分かるだろ、ぼくはとどめをさす、だからっ!!」 女武闘家エリー「わかったわ!!!」 そう! その最速のスピードですべての攻撃をかわし、先制攻撃できる!それがエリーの力だ。 エリーはきっと今、目を瞑り、五感を研ぎ澄ましているだろう。 女武闘家エリー「はああっ!!」 ドッ!!と殴った音! 拳がモンスターをとらえる!!! 至近距離でようやく見えた倒れたモンスターをぼくがとどめをさす。あと何匹だ?! ぼく(男勇者ゆきひろ)「大丈夫か?エリー、あと…」 女武闘家エリー「もう一匹は、あんたの後ろよ!!!!」 後ろ! 振り向き、剣を振り下ろした………手応えはあった!!!! あと…。 ようやく目が暗やみになれてきた…。 エリーに襲いかかるモンスターの影!! あのモンスターは一人じゃだめだ。 そのモンスターに斬りかかろうとしたら。 女武闘家エリー「大丈夫! あたしにまかせて!」 ぼくは見た。その数百キロの巨体をエリーは一撃できめたのだ。 倒した瞬間、その巨体が地面にめりこみ、森がゆれた…。 女武闘家エリー「はあ、はぁ…」 ぼく(男勇者ゆきひろ)「エリー…」 テントからサイモンの声。 男戦士サイモン「うるせえよバカ、なにやってんだよ…」