ん…ここはどこだ? 目が覚めたら一人の兵士が倒れている。 「ムーンブルグ城がハーゴン軍に攻められました。ぐふっ」 ムーンブルグ城?もしかしてこれは例の目が覚めたらドラクエの世界にいるってやつか?しかもドラクエ2の世界みたいだ。 となりで王様が言う。 「我が息子もょもとよ!ハーゴンが世界を滅ぼそうとしている!覚悟が出来たならついてまいれ!」 もょもと?もしかして俺はローレシアの王子? まじで冒険するんすか?確か銅の剣と50ゴールドを渡されるんだよな?まったくケチな親父だぜ。 そう思っていたら勝手に体が動いた。どうなっているんだ? そして下の階に下りると王様が「そなたの旅の準備にしておいた。行けい!我が息子よ!」 ってやっぱり中身は予想したとおりの銅の剣と50ゴールドだった。 そのまま外に出ようとしたら頭の中で誰かが語りかけてきた。 ?「おい!おまえはだれなんだ?」 俺もついに電波がキタのかと思っていたが、 ?「おい!むしするな。」 マジで聞こえる。どうやら本当に誰かが話し掛けてくる。 俺「アンタこそ誰やねん?」 ?「おれはローレシアのもょもと。」 俺「もょもとだって?この体の持ち主か?」 もょ「いったいどうなっているんだ?」 俺「それは俺が聞きたいわ。」 もょ「そうか。おまえにもわからないのか。」 俺「しかし奇妙な感じだな。このまま旅するのか?」 もょ「じつはけんのあつかいかたもやったことがないんだ。ひとりはいやなんだ。」 俺「嘘だろ?」 もょ「…」 俺「なんでなのさ?」 もょ「ほんとうはこわいんだ」 俺「まぁ、無理もないけどな。今更止めるわけにもいかへんやろ。」 もょ「どうしたらいい?」 俺「そんならさ。俺と一緒に頑張ろや。一人よりも二人やろ。」 もょ「ほんとうか?」 俺「ああ。仲良くしていこうや。兄弟!」 もょ「おれにはおとうとやあにはいないぞ。」 俺「そうじゃなくて。もょは俺であり、おれはもょでもあるんだからさ。つまり一緒って訳や。」 もょ「ありがとう。たすかるぞ。」 まさかもょもとがこんなにヘタレだと思わなかったが奇妙な旅は始まった。 俺 「とりあえず持ち物は銅の剣と皮の鎧、50ゴールドやな。」 もょ「いったいどうするんだ?」 俺 「そうだなぁ。もょ、実戦の経験はあるん?」 もょ「ない。」 俺 「困ったな…誰も教えてくれなかったん?」 もょ「へいわだからそんなものひつようはないってことでまなばなかったぞ。」 俺 「ひでえ親父やな。いきなり何も知らん奴を実戦にさせるってありえね~」 もょ「おれ、ぼうけんできるのかふあんになってきた。」 俺 「愚痴っても仕方がない。守備力が危ないから皮の盾を買うまでお金を貯めよか。」 もょ「いくらまでためるんだ?」 俺 「90ゴールドだな。」 もょ「今が50ゴールドだからえっと~」 俺 「40ゴールドだ。」 もょ「おおっ!おまえはかしこいな!」 俺 「そうでないで。」 もょ「そうでもないよな。」 計算すら出来ないのかコイツは…かなり苦労する旅だろうな。 もょ「ちなみにおまえのなまえはなんだ?」 俺 「タケ」 もょ「そうか。よろしくな!タケ。」 俺 「ああ。その前にスライムが現れたからいっちょやってやろうや!」 この時だれが予想したのだろうか…かなりの受難な展開を待ち受けるとは…