何とかラーの鏡を手に入れ、サマル達を守りきったのだがかなりきつい状況だ。 俺は手持ちの薬草で何とか回復出来たのだがトーマスに薬草を塗り付けてもあまり効果が無い。 それに、サマルとリアがまだ眠っている。今行動を取れるのは俺だけか。 タケ「しゃーない。カタリナからもらったキメラの翼を使うか。なりふり構ってられへんしな。」 確か目的地をイメージして投げるんだよな… キメラの翼を放り投げた! タケ「うっ、うわわわわわ…!」 体が宙に浮いた。バンジージャンプで一度飛び降りた反動で浮いてるって感じだ。 すげぇ!俺はついに空を飛んだのか!? 思わずこのポーズをやってみた。
/⌒ヽ ⊂二二二( ^ω^)二⊃ | / ブーン ( ヽノ ノ>ノ 三 レレ ………………………………………………………最高だお。
VIPPERがいたら絶対に喜ぶだろうな。俺はこの世界の神になるんだお… だが浮かれているうちに地面に着陸し始めた。 ヤバイって!このスピードじゃ骨折は避けられない! …っと思ったのだが地上に立つ寸前にスピードが緩くなった。 まぁ無事にムーンペタに着いたのだし良しとしますか。 早速俺はカタリナを呼び、宿にサマル、リア、トーマスを運ぶのを手伝ってもらった。 カタリナ「もょもと王子。ご無事でなりよりです。そ、それにトム兵士長まで!?一体何があったのです?」 タケ「ああ。トーマスさんがハーゴンの手下のベギラマを食らって何とか生きているが重傷だ。薬草で応急処置をしたのだが…全く効果が無い。」 カタリナ「そ、それじゃあトム兵士長は!?」 タケ「このままじゃ手の打ち様が無い。サマルを無理矢理起こして何とかするが、トーマスさんの体力次第だろうな。」 カタリナ「わ、わかりました!とにかく宿屋へ!」 俺とカタリナは急いで3人を宿屋に運んだ。 タケ「お~い!サマル。起きろ~」 サマル「ZZZ…」 ダメだこりゃ。完全に熟睡モードだな。90年代初期にはまった超必殺技をやるか。最強最悪の技を。 タケ「秘儀!電気アンマ!」 俺はサマルの両足を持ち電気あんまをやる態勢を取った。 今から地獄をみせちゃる! タケ「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラッ!」 俺はサマルの股間にマッハ踏み踏みをしかけた。 最初は反応が無かったのだが次第に不気味な笑い声が聞こえてきた。 サマル「くっ…うふふ…あはははは…」 効果は抜群だ! サマル「くっ、くすぐったいじゃないか!」 タケ「グッドモ~ニン!サマル君。良く眠れたかい?」 サマル「全然グッドじゃないよ!」 タケ「ははっ。冗談は置いといて。今真剣にヤバイ状況なんだ。」 サマル「一体どうしたんだい?」 タケ「とりあえずトーマスさんとカタリナさんの部屋に行くぞ。」 寝起きをサマルをトーマス達の部屋に連れていった。 カタリナ「あっ!サマル王子!お願いです!トム兵士長を助けてください!」 サマル「カタリナさん、もょ、一体トーマスさんはどうなっているんだい?」 タケ「薬草で応急処置をしたのだが全く効果が無いんだ。サマルの魔法ならなんとかなるって思ってな。」 サマル「う~ん…確証は持てないけどやってみるよ。」 タケ「頼む!今頼れるのはお前しかいないからな!サマルならやってくれるはずと俺は確信している。」 サマル「もょがそこまで言うのなら…僕に任せて!何だかやる気が出てきたぞ!」 サマルの奴、テ ン シ ョ ン 上 が っ て き た ぜ ~!って言う状態だ。 サマル「じゃあトーマスさんの治療に集中したいからもょとカタリナさんは外してくれないかな?」 タケ「じゃあ任せたぞ。」 カタリナ「お願いします。」 俺とカタリナは部屋を出て、それぞれの部屋に戻ろうとしたのだが… カタリナ「もょもと王子。お尋ねしたい事があるのですが…」 タケ「どうした?」 カタリナ「貴方は…何者なのです?」 タケ「はぁ?」 カタリナ「トム兵士長が私に言っていたのです。もょもと王子が敵の魔法をくらってから性格が別人になったと…」 タケ「ちっ…あかん。そこまで正確に言われたら本当の事を話すわ。」 カタリナ「だ、誰なんです!?貴方は!」 タケ「おっと。あんたらの敵になるつもりはない。逆に味方やで。俺の話を聞いてから判断してや。」 カタリナ「…いいでしょう。」 タケ「俺の名はタケ。ストレートに言うと別世界の人間や。」 カタリナ「な、なんですって!?」 タケ「気が付いたらもょもとの体の中に俺の意識があったんや。」 カタリナ「どう言う事です?」 タケ「俺が別世界で眠った時に何かが起きたんやろ。俺の人格だけもょもとに入ったんや。つまりもょもとは二重人格になるって訳や。」 カタリナ「…………そんな…………ありえないわ……………」 タケ「そう。確かにありえへん事や。話は変わるけど、俺はもょもとには感謝しているよ。」 カタリナ「えっ!?」 タケ「身知らずな俺を受け入れてくれたんやからな。俺にはその恩義があるんや。仮に他の人間の意識に入ったら忌み嫌われる存在やと思うねん。」 カタリナ「そうだったのですか……………すみませんでした。タケ殿。変に疑ってしまって…」 タケ「別に構へんよ。理解してくれただけでも十分感謝しているで。ただし、俺からもお願いがあるわ。」 カタリナ「何でしょうか?」 タケ「俺の事はサマルやリアには知らさないで欲しいねん。もょもとの名誉に関わる事やからな。」 カタリナ「それなりの理由があるのですか?」 タケ「ああ。何だかんだ言ってもょもとはロトの子孫だし、今の状態でリーダーシップを張れるのはもょもとしかいない。成長スピードもかなり早いしね。 俺は影でサポートしたら良いと思っているんよ。それにサマルの奴はああ見えてもレイシストやから最悪な場合、パーティが崩壊する可能性があるからな。」 カタリナ「………わかりました。サマル王子達には内密にしておきましょう。」 タケ「助かるわ。トーマスさんにも巧く報告しといてや。今日はちょっと疲れたから休ませてもらうよ。」 カタリナ「じゃあ、おやすみなさいませ。」 俺は部屋に戻ったのだが、急に体が震えてきた。 初めて人を斬った…恐い… 何か…こう…祈祷士の断末魔が頭の中から聞こえて離れない。 ベッドに横になったのだが何か落ち着かない状態だ。 体調が良い悪いは関係なく人を殺したという恐怖で俺はパニくっていた。 その時話し掛けてきたのがもょもとだった。 もょ「タケ。どうしたんだ?」 タケ「な、何や…もょか…。起きたのか?」 もょ「おれたちをたすけてくれたんだな。まためいわくかけたなぁ。」 タケ「ま、まぁ、気にすんなや。お互い様やないか。」 もょ「それよりもどうかしたのか?ようすがへんだぞ。」 タケ「な、何にもあらへんよ…」 もょ「ウソをつくな。おまえのことはおれがよくわかるよ。」 タケ「えっ!?な、何でや?」 もょ「いっしょにいたらタケのきもちがわかりやすいからな。おれでよければそうだんにのるぞ。」 タケ「そっか…ラーの鏡を手に入れた時にハーゴンの手下と戦ったやろ?」 もょ「そうだったな。おれはねむってしまったんだが。」 タケ「それは別に構へんよ。ただ残酷な殺し方をしたんや。」 もょ「いったいどうやったのだ?」 タケ「あのクソ野郎の首をはねた…」 もょ「なっ……………………………………!」 流石のもょもとも驚きは隠せなかったようだ。 タケ「戦っている時はいかにどう殺すかを想定していたんやけど実際にやった後は満足したんや…これでええねん、ってな。」 もょ「それで?」 タケ「ただモンスターと違って同じ人間を殺したとなると後味が悪いんや…」 もょ「だからなやんでいたのか…」 タケ「ああ…ビッグマウスを言いながらお笑いぐさやで。体の震えが止まらへん…」 俺は自分の辛さをもょもとにぶちまけた。 現実の世界では人を殺すなどは余程の事が無いかぎり他人を殺したりしない。 仮に一般人が他人を殺すとしたら基地害かそれなりの理由がある者しかありえない事なのだ… しかし、もょもとはこう返事した。 もょ「タケ、おまえはまちがっていない。」 タケ「えっ!?な、何でや?」 もょ「はんたいにきくが、なぜおまえはそうしたのだ?」 タケ「仲間を守るため。それ以上の理由は無いわ。」 もょ「それでいいじゃないか。」 タケ「け、けど…俺は…人を…」 もょ「まぁ、はなしをきいてほしい。しんだははおやからこんなはなしをきいたことがある。『我が子を守るためなら私は鬼になる』ってな。」 もょ「おれも、ひとをころすなどはきほんてきにできない。しかしハーゴンたちはりゆうはわからないがムーンブルグのひとびとをぎゃくさつしたんだ。 やっていることはにんげんじゃない。ひとのかわをかぶったあくまだ。」 タケ「…………………………………」 もょ「かりに、タケやサマル、リアちゃんをぶじょくするやつはおれがゆるさない。だいじななかまなんだからな。 おれたちにきがいをおよばすあいてがたとえにんげんでもまもるためならそいつをさばく。そういうものだろ?」 もょもとは俺にそう言った。偽りの雰囲気は無くこれがもょもとの本音だと俺はそう思えた。 タケ「もょ…」 もょ「ん?」 タケ「…………………サンキュな。お前のお陰だよ。」 もょ「どうしたんだ?きゅうに。」 タケ「悩みが吹っ飛んだよ。お前に相談して正解やったわ。」 もょ「それはよかった。しかしタケ、おまえのけってんがひとつわかったぞ。」 タケ「な、なんやそれ…?」 もょ「おまえはひとりでかかえてなやむタイプみたいだな。ちがうか?」 タケ「……………恥ずかしいけど正解や。」 もょ「それならきがるにおれにそうだんしたらいいじゃないか。きょうだいだろ?」 タケ「そうやな…ありがとう。もょ。」 そこまで見抜くとは。もょもとの第六感は恐ろしい… 反面、もょもとの最大の良い特徴だけどね。 もょ「それに、タケ。ききたいことがある。」 タケ「どうしたん?」 もょ「サマル、リアちゃんはせんりょくになるか?」 タケ「結論から言うとかなり厳しいわ…今の所やけどな。」 もょ「けっていてきなりゆうは?」 タケ「もょ達が眠っていた時に祈祷士がベギラマって言う呪文を唱えたんや。サマル達の呪文とくらべたら格が違う。」 タケ「呪文が使えない俺が言うのもあれやけど。」 もょ「そうなのか…」 タケ「個人的な意見やけど先行きが不安やで。今はムーンペタに留まって対策を練るべきやろ。」 もょ「さんこうにしておくよ。まずはラーのかがみをつかっておうじょののろいをとかないとな。」 タケ「そやね。」 もょ「めのまえのもんだいをすこしづつかいけつしていこう。かんがえすぎたらしんどくなるからな。」 もょもとは俺そう言って休ませる様にしてくれた。 もょもとがいなかったら俺はこの世界でどうなっていたのか想像はつかない。 これで安心して寝れるようになった。 おおきにな。もょ… もょもと&タケ Lv.12 HP:18/86 MP: 0/ 0 E鋼の剣 E皮の鎧 E鱗の盾 E木の帽子 特技:かすみ二段・強撃・チェンジ・はやぶさ斬り(もょもと専用)・ゾンビ斬り・大防御(タケ専用)