俺達はムーンブルグの城に再び戻ったのだが、個人的には戦場の跡地には行きたくないものだ。
流石にムーンも驚きの表情を隠せなかったようだ………

ムーン「…………………………………………」
 もょ「どうしたんだ。ムーン?」
ムーン「………何でもないわよ。行きましょ。」

生まれ故郷が跡形も無く崩れ去っているのだから無理も無い。
さすがに城内も以前俺達が来た時よりも嫌な雰囲気になっていた。
魔素が強くなったと表現してもいいだろう。

探索をしている内にモンスター達が近寄ってきた。リビングデッドだ。

 もょ「ムーン、くるぞ!」
ムーン「もょもと!ちょっと時間を稼いで!私が呪文で援護をするわ!」
 もょ「まかせたぞ!」

もょもとの先制攻撃でリビングデッドに斬りかかったのだが一撃では倒せない。
 もょ「くっ…しつこいやつだ…」
リビングデッドが半身になっても襲い掛かるので切りが無い。その時後ろからムーンの声がした。

ムーン「バギッ!」

ムーンが発声した後に小さな竜巻がリビングデッドを切り裂いたのだ。
ムーン「危機一髪ね。もっとしっかりしなさいよ。」
 もょ「おかげさまでたすかったぞ。」
ムーン「気を抜いては駄目よ。」
この娘もサマルと同様に回復呪文や攻撃呪文も使うのか……戦力的にも魅力的だ。それに美人だし(;´Д`)ハァハァ 

王座の間についた時炎の様な物がうろついていた。確かムーンブルグ王の魂だ。
ムーン「もょもと。あれは魔物なの?」
 もょ「ちがうぞ。あれはおうさまのたましいだ。」
ムーン「ええっ!?う、嘘でしょ?」
 もょ「おうさまのおかげでムーンをたすけることができたんだ。」
ムーン「そんな…」
ムーンはいきなりムーンブルグ王の所に駆け寄った。

ムーン「お父様!」
  王「ダレカイルノカ……?」
ムーン「私よ!ムーンよ!ここにいるわ!」
  王「スマナイ…ワシニハナニモキコエヌ…シカシナツカシイカンジガスル…」
ムーン「うっ…うっ…お父様…」

ムーンが泣き出した。自分の父親に話しかけても意思伝達が出来ない。それを見ている俺も切なくなった。

 タケ「うっ…………………」
 もょ「どうしたのだ。タケ?」
 タケ「ち、ちょっと嫌な事を思い出してしまってな…」
 もょ「なにがあったんだ?」
 タケ「悪いなもょ。それは言えへんのや。俺自身の事やねん。すまん。」
 もょ「わかった…きいてしまってすまないな。」
 タケ「ええんよ。ただ…俺から言える事は女の涙は男にとっては毒やで。」
 もょ「ああ…おれもリアちゃんがないたときはすこしつらいきぶんになった…」
 タケ「そっか…………………」

俺はそれ以上何も答えられなかった。言葉では表現できない感情が込み上げて来たのだから……………… 

ムーン「もょもと…」
 もょ「ム、ムーン…その…」
ムーン「私なら大丈夫…お父様や城のみんなの敵討ちのためにハーゴンを倒すわ。」
 もょ「そ、そうか…なんてこえをかければいいのかわからなかった…」
ムーン「いいのよ。でも、貴方が慰めようとする気持ちが雰囲気で伝わるわ…その、ありがと。」
 もょ「あ、ああ…」
ムーン「お父様の書斎に行きましょう。何か記録があるかもしれないわ。」

聞いている俺も胸がドキドキドッキンっとなっちゃいましたよ。とにかく俺達は王様の書斎に向かった。

書斎は思ったほど被害が無く、荒されてはいなかった。
俺にとってこの世界の文字が読めないはずなんだが俺の視点では何故か日本語で表示されていたのだ。
本の種類には『ロトの末裔の記録』『呪文の理・初級編』『あらゆる武器の入門書』などがあった。

 タケ「もょ。ロトの末裔の記録っていう本を俺に読ませてくれへん?」
 もょ「ああ。これはごせんぞさまのきろくみたいだな。」
 タケ「ちょっと読んでみるか。おっ、この部分が気になるな。」

ロトの末裔アレフは悪の帝王と呼ばれた竜王の最強の部下、ダースドラゴンと戦った時、古の聖剣ロトの剣と呼ばれるものを封印されてしまったらしい。
一旦アレフは戦いから離脱し、そこでアレフは…………を使い、………………レヴァティンを作り出し、再度ダースドラゴンに挑んで勝利を収めた。
ちなみにその武器で竜王を倒したと言われている。しかしアレフが竜王を倒した後レヴァティンが消え去ってしまったのだ。 

 もょ「どうだった?」
 タケ「アカン。焦げ付いて詠めへん所もあったわ。ありえへん事もあるんやな。武器が消えてしまう事があるなんてな。」
 もょ「しかし『レヴァティン』っていうぶきはなんだろうな?」
 タケ「現在わかる範囲内では最強の武器ってい言う事ぐらいやな。ましてロトの末裔アレフが竜王と戦ったときに使っていたみたいやし。」
 もょ「う~ん…ロトのつるぎとどっちのほうがつよいのだろうか?」
 タケ「二つとも手に入れたらわかる話やろ。しかし超が付くほど夢物語やで。ホンマ。」 

ムーン「もょもと。そっちはどうだった?」
 もょ「そうだな。いまとのところはさいきょうのぶき『レヴァティン』がわかったくらいだ。ハーゴンをたおすのにひつようだろうな。」
ムーン「私は『呪文の理・初級編』を読んだわ。私にとっては復習になるけどサマルやリアにも頑張って貰わないとね。」
 もょ「しかしとっくんするのはいいのだがつぎはどこにむかえばいいのだろうか?」
ムーン「書斎で見つけた世界地図によるとルプガナって町が一番近いみたいね。しかし砂漠を越えてさらにドラゴンの角って呼ばれる塔にも向わないといけない。」
もょ「なるほど…じゃあルプガナにきまりだな。」
ムーン「ええ。それじゃあ戻るとしましょう。私も勝手に抜け出してきたんだから。トーマス達も心配しているだろうし。」 

このまま何事も無くムーンペタに戻れるはずだった。しかし…

ムーン「もょもと!まだリビングデッドが3体がいるわ。やるわよ!」
 もょ「おう!ムーンは…
 タケ「(ちょっと待ちいや。もょ。まだリビングデッドがおるみたいやな。)」
 もょ「(タケ、なにかさくがあるのか?。)」
 タケ「(俺に代わってくれへん?こいつらなら新必殺技が効果テキメンな相手やからな。それに後に備えてムーンちゃんの魔法力を温存しておかないとアカンやろ?)」
 もょ「(それならまかせたぞ。しかしいつのまにみにつけたんだ?)」
 タケ「(それはお楽しみやで。まぁ見とき。)身構えるだけでいい!俺に任せてくれ!」
ムーン「けど貴方じゃ一撃で倒せるはずがないわ!」
 タケ「出来るんだよな。それが。」
ムーン「えっ?」

 タケ「ゾンビ斬り!!」

リビングデッドを切り裂いた後一瞬にして白く輝きリビングデッドが消滅した。ちょっとパワーアップしたって感じか。
 もょ「(すごいじゃないか。タケ!)」
 タケ「(巧くいったやろ?後2体もサクサクっとやっちゃいますか。)」

残りのリビングデッド達も難無く倒すことが出来た。
ムーン「やるじゃない!」
 タケ「無事に終わって良かった。それより気を抜くなよムーン。近くにこいつらを操っていた術者がいるかもしれん。」
ムーン「えっ!?」
 タケ「俺がサマル達とラーの鏡を探していた時こいつらを操っている奴がいたからな。」
ムーン「…わかったわ。急ぎましょ。」
 タケ「とにかく早くムーンペタに戻ろう。」

こうゆう時は急ぐのが得策だ。城の入り口まで戻った時に事件が起きた。

銀髪の男と怪しい仮面を被りローブを着ている人間が対峙している。仮面の方は間違い無くハーゴンの手下だ。

 手下「貴様何をしている!私の邪魔をするとはいい度胸だな。」 
  ?「それよりここはどこなんだ?あんた知らないか?」
 手下「私の質問を無視するとは。生意気な男だ。死ね!ベギラマ!」
  ?「はー…やれやれ。問答無用か。マジックバリア!」

男が呪文を唱えると光の球体が男を包み、ハーゴンの手下の呪文を無効化にしたのだ。

 手下「バ、バカな…」
  ?「無駄な魔法力を使わせやがって…とりあえず死んでもらうとするか。バギマ!」
 手下「Gyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaa!!!!!!!!!!!」

この男…マジ強え…しかもバギよりすごい竜巻を出すとは。

ムーン「い、一体何があったの?」
 タケ「あの男がハーゴンの手下を呪文で殺したみたいだな。」
ムーン「あの人は味方なのかしら?」
 タケ「わからん。しかしムーンの魔力もすごいがあの男の方がムーンより上回っているかもしれん…」
 
ムーンと話しているうちに男が近づいてきた。

  ?「あんたら。ここはどこなんだか教えてくれないか?」

もょもと&タケ
Lv.13
HP:76/92
MP: 0/ 0
E鋼の剣 E皮の鎧 E鱗の盾 E木の帽子 
特技:かすみ二段・強撃・チェンジ・はやぶさ斬り(もょもと専用)・ゾンビ斬り・大防御(タケ専用) 

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