タケ………………………………タケ…………………

懐かしい声だ。―――――――― 誰だ?しかし思い出せない。次第に声が大きく変わっていった。

 もょ「タケ!!」
 タケ「あ、ああ………………もょか。どうしたん?」

声の主はもょもとだった。しかし最初は確かに別人の声だったのだ。

 もょ「ぶじでよかった!!しんぱいしたんだぞ!」
 タケ「す、すまん。今はどこにいるんだ?」
 もょ「ムーンペタだぞ。あんしんしてやすんでてもいいぞ。」
 タケ「悪いな。迷惑かけてしもうたわい。それよりムーンちゃんとレオンは?」
 もょ「ムーンはとなりのへやでねているぞ。なんでもタケをちりょうしてつかれたらしい。レオンはそとにいるぞ。」
 タケ「わかった。ムーンちゃんには感謝しなきゃな。あの娘には頭があがらへんわ。ムーンちゃんは慣れてないから結構疲れていたんじゃないのか?」
 もょ「ムーンはとちゅうでおれがおんぶしてもどったんだ。ムーンはちょっとおもかったぞ。」
 タケ「ア、アホ!!そんな事言ったらアカンやろが。いくらなんでも失礼やんか!」
 もょ「なにおこっているんだよ。へんなやつだなぁ。」
 タケ「もょに言われとうないわ。このドアホ!」

ムーンに聞かれなくて良かった。しかしもょもとの頭の悪さはどうにかして欲しいものだ。

レオン「よう。ちょっといいか?」
レオンが部屋に入ってきた。何か申し訳なさそうな表情をしている。

レオン「もょもと。すまなかった…………………」

 もょ「きにするなよ。それよりもひだりうではだいじょうぶか?」
レオン「えっ!?と、とりあえずは大丈夫だ。」
 もょ「それならよかった。」
 タケ「(おい!もょ!何言ってるねん。俺は殴りたらへん位むかついているんやで。)」
 もょ「(タケのきもちもわかるがここはおれにまかせてくれないか。)」

俺なら完全にブチ切れているんだがここはもょもとに任せるか。

レオン「し、しかし納得できない点がある。」
 もょ「どうしたんだ?」
レオン「普通なら俺みたいな立場の人間がここにいれるはずがないんだ。何故俺を受け入れるんだ?」
 もょ「そうだなぁ…………だれにもしんでほしくないからかな。」
レオン「どういう事だ?」
 もょ「ムーンはおやじさんをなくしたんだ。たましいだけおしろにいるってかんじだな。」
レオン「残留私怨か…………」
 もょ「そのときムーンがすごくないたんだ。ああゆうのはにどとみたくはないな。」
レオン「そうか………もょもと、お前は純粋な奴だな。」
 もょ「いきなりどうしんだ?」
レオン「あの御方以来だな。何か暖かいものを感じだのは。ありがとうよ、もょもと。」
 もょ「なにいっているんだ?かんしゃされることはしていないぞ。」
レオン「気にするな。俺にとって懐かしい物を思い出したからな。」

何言っているんだこいつは?しかしもょもとの純粋な心意気は俺も理解は出来る。

 もょ「レオン、おれたちといっしょにくるか?」
レオン「えっ!?あ、ああ。しかしなんだか一緒に行動しにくい感じだな。」
 もょ「レオンがいたらこころづよいぞ。いっしょにいこう。」
レオン「ただし、俺の仲間達を一緒に探して貰うけど構わないか?」
 もょ「かまわないぞ!」
レオン「そうか。決まりだな。改めてよろしく。もょもと。」


>レオンが仲間に加わった。


 もょ「レオン、すまないがおれもよすませてもらうよ。」
レオン「おっと、悪かったな。俺も自分の部屋に戻るとするよ。」

 タケ「もょ。おまえは立派な奴やで。」
 もょ「いきなりどうしたんだ?」
 タケ「俺なら同じような真似はできへんよ。」
 もょ「そうか?しかしなぜそういえるんだ?」
 タケ「いや、寛大な心の持ち主やなって思ってさ。」
 もょ「かんだいってなんだ?」
 タケ「『度量が大きく、思いやりがあり、むやみに人を責めない。』って事やで。まぁ、そんなもょだから俺も力になりたいって思ったんやで。」
 もょ「やっぱタケはかしこいな!おれがしらないことをなんでもしってそうだ。」
 タケ「そんな事無いで。」
 もょ「そんなことないな。」
 タケ「突っ込みは相変わらずきついやっちゃの~。」
 もょ「まぁいいじゃないか。」

思い出せたわ………俺が他人のために体を張る理由が………

信頼。これほど嬉しいものはない。もょもとは俺を絶対的な信頼をしてくれている。

もょもとの思いやりに答えなくては………俺も気持ちを切り返して頑張るとするか。この世界で。



一週間後。
俺達はムーンペタを離れることになった。サマルは槍術に慣れたみたいだし、リアも新しい呪文を習得したらしい。
戦力的には少しはマシになっただろう。
パーティ編成はもょもと(俺)・レオン・サマル・リア・ムーンの5人(実質6人)でなった。
  もょ「そろそろしゅっぱつするか。みんな。」
  リア「次の目的地はどこかなぁ?」
 ムーン「ルプガナって町よ。途中で砂漠を越えないといけないから水と食料は沢山持っていかないとね。」
 サマル「さ、砂漠を越えるのかい?大丈夫かな?」
 レオン「悲観的に考えてもしょうがないさ。とにかくルプガナに行って情報収集をしなきゃな。」
トーマス「王女様………大丈夫でしょうか?」
カタリナ「私も心配です。ぜひ同行させて下さい!」
 ムーン「ダメよ。貴方達まで巻き込む訳にはいかないわ。それにもょもとやレオンみたいに頼もしい用心棒もいる訳だし。」
トーマス「し、しかし………」
 ムーン「これはムーンブルグの王女としての命令よ。兵士長トーマス!カタリナ!ムーンペタの警護を命ずる!!」
トーマス・カタリナ「はっ!!了解しました!」

へぇ、なかなかいい感じじゃないか。俺も思わず感心してしまったよ。

トーマス「もょもと王子。私からこれを………………」
  もょ「ん?この防具はどうしたんだ?」
トーマス「私が使用していた防具ですが、是非もょもと王子に使っていただきたいのです。」
  もょ「そういうわけにはいかないぞ。トーマスさんのだいじなぼうぐだろう?」

するとトーマスは小さな声でもょもとに話した。

トーマス「王子のもう一人の人格、タケ殿に私や王女様達を救っていただいたお礼です。」
  もょ「な、なぜタケのことをしっているんだ?」
トーマス「カタリナから聞きました。王子は二重人格であると。」
  もょ「け、けど………」

  タケ「気にすんな。もょ。」

  もょ「タ、タケ!?」
  タケ「脅かしてすまん。カタリナさんはトーマスさんに話たんやで。俺の存在を。」
  もょ「えっ!?い、いいのか?タケ?」
  タケ「俺は別にかまへんよ。それにトーマスさんは俺等の事を毛嫌いしている事はないしな。」
トーマス「タケ殿。私からもお礼をさせて頂きたいのです。」
  タケ「そんなん結構ですよ。私はもょ…いや、もょもと王子の力になりたかっただけです。」
トーマス「私ごときに敬語など滅相もない!!命の恩人にそそうな真似はしたくありません!今後にも役に立つはずですから使ってやってください!」
  タケ「わ、わかった。もょ、トーマスさんの心意気を飲んでやってくれ。俺からも頼むわ。」
  もょ「タケがそこまでいうのならしかたがないな。わかった。よろこんでつかわせてもらうよ。」
トーマス「ありがとうございます。もょもと王子、タケ殿。王女様をよろしくお願いします。」

トーマスから鋼の鎧、鉄の盾、鉄兜を受け取った。早速もょもと身に着けるとちょっとは重たいが気分的には強くなった気がした。

  リア「もょもとさんかっこいい~」
 レオン「今のもょもとなら勝てる気がしないな。貧相な防具で俺と戦ったもんだ。」
  もょ「そ、そうか?」
 サマル「これからも頼りにしているよ。もょ。一緒に頑張ろう!」
 ムーン「さあ!皆いくわよ!」

俺達はルプガナに向う事にした。

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