タケ「お前が竜王か。どう見てもガキっぽい奴やなぁ……」


ハッキリ言って驚いておるんよ。
竜王って威厳があるおっさん顔の様な奴だと思っていたんやけど、どー見ても中坊ぐらいのガキしか見えへんのや。
けど……幼顔だからっと言って気は抜けへん……
ターバンみたいなモンを被って顔を隠しているんやで。性別すら判断できん。

 竜王「そう睨むな…混沌の戦士よ。まだ戦いを望むか?」

 タケ「アンタがやる気なら……俺はやるで。」

 竜王「無理するのはよせ。実際は立っているのがやっとだろう。回復させてやる。」

あっさり俺の状態を見抜きやがった。
その直後竜王は俺に回復呪文を唱えたんや。疲労も怪我した箇所も一瞬にして回復したで!
しかしスゲエ呪文や。

 タケ「どういうつもりや!?敵に塩を送る真似しやがって。」

俺はとっさに剣を構えた。



 竜王「剣を納めろ。私はお前達と争うつもりはない。少し時間が立てばお前の相棒も目が覚めるだろう。」



一体どういうつもりや?竜王は即座にギィンにも同じ呪文をかけた。



ギィン「す、すみませぬ。竜王様……」
 竜王「まぁよい。やはり老いには勝てぬか。」
ギィン「お恥ずかしい限りです。」
 竜王「ギィン。お前の執念は理解できるが我慢しろ。今はこの者達と話がしたい。」
ギィン「はっ………かしこまりました。」

 竜王「さて、アレフの子孫達、そして混沌の戦士よ。私が竜王だ。」



ムーン「あ、あなたが……りゅ、竜王……」



 竜王「何を震えておる……私は話をするだけだ。すまないがお前の様な臆病者とは話しにならん。」
ムーン「くっ…」


さりげなくきつい事を言うなぁ…このガキは。けどおどおどした奴と会話する事に対して
腹が立つのは理解できる。

 タケ「なら俺と話するか?」
 竜王「混沌の戦士か………………お前が我々と敵対する状況になっていたとは。正直驚いたぞ。」


 タケ「勝手にこの世界に呼び出しやがって。済んだ話の事はもうええわい。
    これも一つの因果関係やろ。話は変わるが混沌の戦士と呼ぶのはやめてくれ。俺にはタケって言う名前があるんやで。」


 竜王「名前などどうでも良いだろう?仕方があるまい。
    タケよ、お前はなぜそんな危険な戦い方をしたのだ?死んでいてもおかしくはなかったんだぞ。」


 タケ「運が悪けりゃ死んでいたやろな。ハッキリ言って俺達とギィンではかなりの実力差がある訳や。
    ましてたかが鋼の剣がドラゴンに通用するわけがない。にも関らず通用した事がおかしい。
    それに全盛期のギィンなら確実に全滅していた。
    もょもとに比べたら、あらゆる面で俺が劣っているし。
    俺が勝っているのは知恵と予測能力だけ。それに俺なりの自分の意地があったからな。」


 竜王「意地だと?……理解できん。
    人間とは不思議なものだな。意地で自己犠牲をする価値などあるとは思えんが。」

タケ「なんやて?」
 竜王「とりあえずここまでだ。そろそろお前の宿主と代わってもらおう。どうやら目覚めた様だからな。」


あっさり会話を打ち切りやがった。完全に竜王のペースに乗せられちまったわい。

 もょ「う……ううん………ああ、タ、タケ!だいじょうぶなのか!?しかもかいふくしている…」
 タケ「心配すんな。ちゃんと約束は守ったで。安心しろ。」
 もょ「あ、ありがとう!ムーンがてあてをしてくれたのか?」




 タケ「ちゃうよ。手当てをしたのは竜王や。」




 もょ「な、なんだって!?」
 タケ「理由はわからん。しかし俺の存在が完全にばれたわい。ミスしてもうた…すまん…」
 もょ「そうか…」
 タケ「それよりも今は竜王がもょと話したがっている。ここは任せるよ。」


 もょ「おれにはなしがあるとは……どうしたんだ?」

 竜王「成る程。タケとは全く正反対の性格だな。もょもとよ。」

 もょ「なんでおれのなまえをしっているんだ?」

 竜王「お前たちの戦いと今の会話で知ったよ。話は変わるが、危なっかしかったな…」

 もょ「……………だろうな。タケがいなけりゃおれたちぜんいんしんでいた。」
サマル「なっ………」
  リア「……………」
ムーン「で、でもっ……」

 竜王「臆病者に回答は聞いておらん。それにしてもすんなりと自分の欠点を認めるとは。大した男だ。
    人間とは自分の欠点を認めたがらない生物だからな。」



 もょ「いったいどういうつもりなんだ。なにがいいたい?」







 竜王「本題に入ろう。まず一つ、このままではお前の友タケは消滅する。」







俺が……消える!?どういうこっちゃ!?

タケ「お、おい!どういうつもりやねん!」
竜王「まず私の話を聞け。今更バタバタしても仕方があるまい。」

確かに如何し様もねえ。



竜王「本来は私が別の混沌の戦士を呼び出すはずだった。しかしギィンが勝手に呪文を使用し失敗したため、
   タケの魂だけがこの世界に来たのだ。当然、憑依する肉体がなければ魂がすぐに消滅することになる。」



もょ「そ、そうだったのか…」


竜王「タケがお前の体内に入ったのは、皮肉にもお前の恐怖の波長がタケの魂の波長に一致したために
   緊急避難として最適だったのだ。しかし、いつまでも魂の共有は出来ない。
   それにタケはお前や仲間達を守るために生命を削りながら戦ったのだ。」

もょ「なっ…」


竜王「タケは戦闘中に魔法力が無くなって呪文を唱えられる状態ではなかった。そこでタケは己の生命を削って呪文を唱えたのだ。
   この方法が一番危ない。魂の消滅を更に加速させてしまう。」

もょ「じゃあどうすればタケのたましいをたすけることができるんだ!?」
竜王「ただでは教えるわけにはいかん。だが、お前達が私の条件を飲んだら教えても良い。」

もょ「いいだろう!」

竜王「封印を解く紋章を集めて精霊ルビスを呼び出すのだ。誰かがルビスを封印したらしい。
    恐らくはハーゴンだろう。」



ムーン「ハーゴン………!!!」



 竜王「ほぅ。その名前を聞いただけで恐怖から怒りの感情に変化するとは。只の臆病者ではないな。」
ムーン「いい加減にしなさいよ!誰が臆病者ですって!!」


 タケ「落ち着けムーン。今のお前じゃ勝てん。」


ムーン「うるさいわね!!貴方には関係ないでしょ!」
  タケ「自分を過信し過ぎじゃボケ!お前の呪文がギィンに全く通用せえへんかったやないかい!現実を知れ!」
ムーン「ううっ……」

 竜王「話を戻そう。この呪文の欠点は術者の目の前で召還できないのだ。この世界のどこかに召還されるらしい。」

 リア「不思議な呪文だね……」

 竜王「なぜ精霊ルビスの封印を解く必要がある理由は、他の世界からの人間を召還する呪文の本を頂戴したからだ。
    その本はちょっと特殊でな。一度唱えると呪文を唱えた本人や他の者がいくら試しても二度と唱えることが出来ないみたいなのだ。
    悪魔でもギィンの報告を述べただけだが、実際私も試したが呪文が唱えられなかった。」
サマル「じゃ、じゃあ……他の世界から来た人間が数人いるのだけどその人達は誰が召還したの?」
 竜王「タケ以外で異世界から来た人間がいるのか!?」
サマル「そ、そうだけど…」
 竜王「もしや……私の予測だが、精霊ルビス本人かハーゴンが呼び出した可能性があるかもしれん。」

ククール達が呼び出したのは多分精霊ルビスだろう。じゃあドルマゲスを召喚したのはハーゴンなのか?

 もょ「タケをたすけるためにはもんしょうをあつめればいいのか?」

 竜王「そう言う事だ。精霊ルビスしか対応できないだろう。私達にとってもタケが必要だからな。
    お互いにとって悪い話ではあるまい。」

 もょ「わかった!おれたちがせいれいルビスのふういんをとこう。そのじょうけんはのむぞ。」
 竜王「交渉成立じゃな。まずはこれを渡しておこう。」

竜王は太陽の形を紋章をもょもとに渡した。

 竜王「この太陽の紋章の他に紋章があるみたいなのだが…確か我が城の書物にあった本によると
    5種類あるらしい。しかし具体的などの場所にあるかはわからぬ。」
 リア「そんな…」
 竜王「心配するのではない。山彦の笛という道具を渡しておこう。
    紋章が近くにある場合笛を吹くと、笛の音と紋章と共鳴して音色が少し遅れてもう一度聞こえるそうだ。」

準備周到な奴だ。

 竜王「さて、決まった所でもう一つお前達に渡すものがある。いや、返すというべきか…」
 もょ「なにをだ?」
 竜王「ロトの剣をだ。」

この城に封印されていたのか!!これで確実に戦力が大きく変化する。

ギィン「りゅ、竜王様!あれは私が封印したのですよ!それを忌々しいこやつらに渡すとは一体どういう考えのつもりです!?」
 竜王「ギィン。世の中は変化しておるのだ。それに対応しなければなるまい。」
ギィン「し、しかし…」
 竜王「私なりの考えがある…(ゴニョゴニョゴニョ…)」
ギィン「―――――――――――その理由なら仕方がありませぬ…お前達。着いて来るが良い。」

ギィンが俺達を案内し始めた。何か企みがあるみたいだが今は従うしかあるまい。

ギィンが案内した部屋に到着すると不気味な感じの部屋だった。黒い煙の様な物が剣を取り囲っている。

ギィン「では……封印を解くぞ。」
ギィンが詠唱始めたら黒い煙が徐々に消えていって剣が姿を表した……

サマル「こ、これがロトの剣……」

驚くのは無理もない。何せ150年も封印されていたために剣全体が寂び付いていたのだ!

 竜王「ふむ……長い歳月は聖剣ですら時の流れには逆らえぬみたいだな。」
ムーン「こ、これは本物なの!?貴方達嘘ついているんじゃない!?」

ギィン「貴様何を言っている。封印した私が言っているから間違いない。
    竜王様が不在ならとっくに貴様を切り裂いている所だ!!」

ムーンもいい加減にしてくれよ。こいつは対人恐怖症なのか?

 もょ「いや、もっていこう。」
 リア「ええっ!?」
 もょ「たぶんごせんぞさまがみまもってくれそうなきがするんだ。しかしほんとうにもっていっていいのか?」
 竜王「かまわぬ。お前達が持ったほうが都合が良いだろう。」

ロト剣を手に入れた。しかしただの錆びた剣しか見えないが、御守代わりにはなるだろう。











竜王の城から出た時にそれが起こった―――――――――――――――――――――
人の醜悪の部分――――――――――避けられぬ状況が――――――――――――










もょもと&タケ
Lv.18
HP: 77/130
MP:  4/  9
E鋼の剣 E鋼の鎧 E鉄兜 錆びた剣
特技 共通技:チェンジ
 もょもと専用:隼斬り・魔人斬り・ドラゴン斬り
   タケ専用:かすみ二段・強撃・ゾンビ斬り・大防御・メラ
         火炎斬り

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