戦士達の気合いのこもったかけ声が辺りから聞こえてくる
一分ほど走った後にスピアに静止それ一度立ち止まる
「静かにしていろよ、見つかるとやっかいな事になる」
――沈黙――
「草陰に隠れるんだ」
ウルフが小声で言うとちょうどすぐそばにあった草陰に身をかがめ、隠れた
そして隠れてからさらに一分ほどが経った・・・・
辺りから風がやみ、葉の揺れる音も聞こえなくなった
その時大柄な男一人と小柄な男女がちょうど北の方角から現れた
「誰もいない?」
女が小柄な男に尋ねた
「たぶんな、だが油断しないほうがよいだろう」
小柄な男がそう言ったのを聞いた
「もしだれかいてもよ、俺たちにゃかなうわけないぜ!」
大柄な男が得意げにそう言っているのを見て、小柄な男はあきれているようだった
俺は二人と一緒に身をかがめて隠れていたがこういう状況に不慣れな俺はついつい音
を出してしまった、それもとびっきりでかい音で

    ブアックション!

俺のくしゃみの音に気づいた三人組がこっちの方を見る
ヤッヤッバイ!すんごいにらまれている!恐怖で体が震えているようだ、俺が
「くそ、後で覚えていろよ」
スピアが立ち上がり剣を抜く
「ここで隠れているんだ」
ウルフも立ち上がり剣を抜く
そっそうか!目には目を!恐怖には恐怖なんだ!
俺には二人の言葉など聞こえてすらいなかった
「そんなところに隠れていたか」
小柄な男が言う
「だけど」
今度は女が
「俺たちに見つかったのが運の尽きだ!」
最後に大柄な男が叫ぶように言い身の丈ほどもある大剣を抜き出した
「まあまて、まずは自己紹介といこう、俺はゲイトだ」
小柄な男の名前はゲイトと言うらしい
「私はカイン」
「そして俺はゲンドウだ!」
ウルフとスピアは構え、攻撃に備える
そして二人が攻撃に移ろうとした瞬間何者かに呼び止められた
「まあまて、ここは一つ私に任せてもらおうではないか」
それはまさしくジャガンだった、恐怖で錯乱していて自分でもなにをしているのか
よくわからなかった
「君たちは援護したまえ!行くぞ!」
二人だけではなく三人組もあっけにとられている
「HAHAHA! 行くぞ、究極奥義!」
勢いよくジャンプし、奥義を発動させる 
       /⌒ヽ
⊂二二二( ^ω^)二⊃
     |    /       ブーン
      ( ヽノ
      ノ>ノ 
  三  レレ 
俺が奥義を発動させた瞬間、ゲイトの放った火炎呪文ギラにより身を焼かれ
あっけなく墜落した
二( ^ω^)二「うわーだお」
スピア・ウルフ「早いよ!」
今仲間達の心が一瞬一つになった
「なっなにあいつ」
とりあえずカインには恐怖を与えられたようだ

空中から・・・といってもたいした距離はなかったのだが俺の体は炎に焼かれ
地面へと落ちた。
大ダメージを受け、立ち上がることすらできなかったがスピアが回復呪文をかけてくれ
何とか立ち上がるまでには回復した、立ち上がった瞬間殴られたが・・・
剣を抜く音と共に例の三人がこちらに向かって歩き始めた、
俺たちとの距離が十分近づくと、ゲイトが話しかけてきた。
「さて、どうする?ここで死ぬか、それとも負け犬のごとく逃げ出すか?」
そのとなりでゲンドウとカインはにやにやと笑っていた。
「そうだな・・・気は進まないが・・・・」
スピアがウルフと顔を合わせる、ウルフはコクリとうなずいた
「あたし達の目的はこの新人を生き残させること」
スピアが俺の方を横目で見ながら続けた
「ここは・・・・逃げ出させてもらおうか!」
スピアがそう言ったのと同時に俺とウルフとスピアは180度回転し逃げ出そうとした
しかし例の三人は俺達が逃げ出す前に回り込み、剣の切っ先を俺に向けていた
ゲンドウが高らかに笑いながら言葉を発した
「やっぱり逃がすのは気が進まねぇ、何しろ俺はさっきから戦いたくてうずうず
してるんだからな」
ゲイトは好きにしろ、とだけ言うと呪文の詠唱を唱え始めた
「爆発呪文、イオ!」
ゲイトの掌が光るのと同時にスピアとウルフはそれぞれ左右に側転し、俺は
それに釣られ後ろにダッシュすることで爆発に巻き込まれずにすんだ。
ゲンドウは高らかに
「ウォォォォォォォォォオ」
と歓喜の混じった声で叫んだ・・・ 



広くそして薄暗い部屋・・・・
そこに5人の魔王が集結していた。
「さて・・・奴の様子はどうだ?」
バラモスよりもわずかに小さく、羽のはえている魔王・・バラモスブロスが発言した
「今は試験中だ・・・」
それに兄であるバラモスが答えた
「本当に奴なんだろうな?もし違ったら兄貴に責任をとってもらうぜ」
ブロスがバラモスに向かって吐き捨てるように言った・・・
この兄弟は昔から仲が悪いことで有名だった、魔王となるずっと前から・・・
すると黒色の髪をした長髪の男が発言をし始めた
「それはともかくとして・・・・試験が終わり次第あの男は私の部下として
いただきたいのですか・・・」
「それは貴様の決める事ではない、全てはゾーマ様の考えで我々は動かなく
てはならん」
長髪の男に反対したのは美しい姿をした女性だった、しかしその本当の姿は
六本の首のあるおぞましい姿をした怪物だ・・・
醜い姿を拒む彼女はその能力を使って美しい姿に自分を変えていたのだ・・・
「それならばなぜ我々はこうして集まっているのです?こうして集会
 を開く意味などないでしょう?通信で命令を出せばそれですむはずです」
長髪の男はオロチに反論した、その言葉は冷静だった
「たかが魔人である貴様にそんなことを言われる筋合いはないわ!!!」
それにオロチも反論するが長髪の男はそれでも冷静に言葉を返していった
「いまここで本当の姿を見せてくださいよ
 自分を偽っているような人が偉そうにしないでくださいよ」
オロチは言い返せずにただうなるだけだった、そして我慢が限界を超え
長髪の男に飛びかかろうと言うときに・・・・
「そこまでにしろ、ゾーマ様だ」
ゾーマの気配に素早く気づいたキングヒドラは静かに言い放った
オロチはゾーマの名に反応し、あわててイスに座り直した。


豊かで平和な村、リーザス村・・・この平和な村に一人の問題がいた
「またお前かサイモン!」
村の村長にサイモンと呼ばれた青年はめんどくさそうにこたえた
「なんだじじい!」
その言葉に眉毛をピクピクさせながらも、あくまで冷静に言葉を返した
「いい加減おとなしくしたらどうだ、これ以上悪さをしてどうなる」
「ちょっと金を拝借しただけだ・・・」
そのサイモンの反省のない言葉に村長はついに怒りをあらわにし、
壮絶な言葉のラッシュを食らわした、
サイモンはそ聞き慣れているらしく
それを適当に聞き流し説教が終わるのを待っていた・・・

サイモンは家への道筋を歩きにがらぶつぶつと気味が悪いほど呟いていた
「これでも俺はかつては勇者と呼ばれていたんだ!それがあんな老いぼれに
なぜ説教をされなきゃならんのだ!」
明らかにサイモンが悪いのだが、この男には罪の意識など米粒ほどもなかった。
「それにしても・・・」
サイモンは財布を開き中を指で探り逆さにしたりしたが、一ゴールドも落ちては
こなかった・・・
「村長のじじいには金は借りられんし、かといってゼシカタンから借りようにも
あの性格だ、貸してくれるはずがないだろう・・・」
サイモンはその場に立ち止まり腕を組、頭をフル回転させ、得策を考えていた
「それにしてもじじいめ・・・せっかく拝借した金を取り上げやがって・・・
俺を飢え死にさせるつもりか・・・・っと考えがそれてしまった」
サイモンは再び頭を回転させた・・・

そうだ、オルテガにでもたかりにでも行くかうん、それが良い!」
サイモンに働く意欲など全くなかった・・・
「そうと決まれば旅立ちの準備だ、ゼシカたんにもお別れを言いに行かなければ」
サイモンはダッシュで村の北側にあるアルバート家へと向かった

コンコン
ノックを響く音のあと、返事と共におそらく召使いであろう女性が扉を開けた
「ゼシカさんにお別れをいいにきた、会わせてくれ」
召使いは少々お待ちくださいとだけ言うと扉をしめ、ゼシカの部屋へと向かった
「ゼシカお嬢さま、サイモン様がお見えですが・・・」
ドア越しに召し使いはそう言うと、返事が来るのをまった
「サイモン!っあの男まだストーカーするつもり!?
いないって言っておいてくれる!?」
ドアの向こうからゼシカの声だけが聞こえてくる
召使いは承知しました、とだけ言うと再びサイモンの元へと向かった
ドアを開けるとサイモンが今か今かと待ちわびていた
「申し訳ありませんがゼシカお嬢様は現在外出中でして・・・」
その言葉にサイモンは不満そうな顔をすると、
「それでは、ゼシカさん僕は君の事を永遠に忘れないから待っていて
くれと言っておいてくれ」
召使いは承知しました、と言った後
「どこかに旅に出るのですか?」
と付け足した、サイモンは笑顔でそうです、と言うと宿屋へとかけだした
サイモンは青春を演じているつもりだったが、
それを見る召使いの目は冷たかった


ゼシカはサイモンが旅に出るという報告を二階から盗み聞きし、
小さくガッツポーズをした。

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もし目が覚めたらそこがDQ世界の宿屋だったら@2ch 保管庫