こんにちは、俺です。
 わけもわからぬままアレフガルドに来て2回目の朝です。
 戦いにもちょっとだけ慣れてきました。
 ドラキーに多少てこずるものの、スライム、スライムベスはもう敵じゃありません。

「ピキーッ!」
 竹竿を買ってから、スライムを数匹斃したところでドラキーが登場。
「ピキーッ!」
 宙を飛び交うトリッキーな攻撃に危うく死にそうになりました。
「ピキーッ!」
 念のためにと買っておいた薬草のおかげで何とk
「ピキーッ! ピキーッ!」
「だあああああ! うるせえええええええ! スライムごときが邪魔すんじゃNEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEE!」
「ピ、ピキーッ!」
「(´・ω・`)ぶち殺すぞ」
「……ぴきー……」

 大人しくなったスライムを海に蹴り飛ばした俺は防具を買いにラダトーム城下町に向かった。
 目的は一つ、竹竿から棍棒へのレベルアップ。――と、その前に便所だ。
 ラダトーム――DQ世界にはトイレというものが存在しない。これ豆知識な。
 住人は草むらや林の中でしている。
 小便をしようと草むらに向かったら下半身丸出しで用を足している女に出会った俺が言うんだ、間違いない。
 俺には気付いていない様子だったので、そのまま田代。別の意味でスッキリさせてもらいました。

 小便をし、棍棒をいくつか見せてもらった俺は、一番手に馴染んだ棍棒を購入した。
 できればもっと攻撃力のある武器がいいんだが、銅の剣を買えるほど金はない。
 棍棒に釘を刺して攻撃力増強を、とも思ったのだが、この棍棒には初めから釘が打ち付けられてある。
 釘の打ち付けられていない棍棒は3からのはずだ。

「まずは……ガライだな」
 ガライには鍵が必要な場所があったな……鍵、か。

 というわけでラダトーム城に到着。
 ガライに行く前に色々と準備が必要なのよ。

 ラダトーム城には鍵屋が存在する。
 しかし城前の池が遮っているため、城内の鍵屋に行くにはリムルダールで鍵を買わなければならない。
 ゲームではそんな二度手間三度手間はイベントの一つかもしれないが、実際問題そんなことはやってられない。
 池を泳いで渡る?
 池を泳いで渡るのは正解に近い。最も限りなく正解に近い。
 でも溺れる可能性もあるので油断は禁物でーす♪
 というわけでボッシュート。
    ⌒ ⌒ ⌒
   _⌒ ⌒ ⌒__
  /:::::Λ_Λ:::::::::::::::/
 /::::::(∩;´Д`)∩ :::::/
/:::::::(      /::::/  チャラッチャラッチャーン
「城の裏から行けばいいんだよね」





 工エエェェ(´д`)ェェエエ工といった顔の兵士は放置。
 若人よ! 柔軟な発想を持て!

「どんな扉でも開けてしまう魔法の鍵はいらんかな? 一つ85Gでどうじゃ?」
「よし! 買った!」
「ほれ、鍵を一つ渡そ――」
「その前に。壊れたら返品ができるんだよな」
「いや、これは一度きりじゃ」
「ああ? 一回しか使えない鍵が85Gだと? ジジイ、何でそれをもっと早く言わねえんだよ!」
「か、鍵が一度で壊れるのは常識じゃろう」
「それはジジイの常識だろうが。普通の鍵は壊れねえんだよ。舐めてんのか(゚Д゚)ゴルァ!」
「い、いや、別に舐めてるわけでは――」
「“ムカつき”が止まんねーよ……」
「ままま待て待て!」
「教えてやるよ? “ジジ”ィ……ナゼ俺のパールホワイトの“FX”が“最強外道”のカンバンなのかよ……?」

 以上、俺の交渉術でした! よい子もよい大人も悪い子も悪い人もマネしちゃダメだぞ!
 一つ8Gまで負けてくれたんで10個も買っちゃったよ。
 いや~、いい買い物したなあ。
 危うくジジイは“不運” (ハードラック )と“踊”(ダンス )っちまうところだったんだぜ……?

 予定通り浮いた金でラダトーム城下町で皮の服と皮の盾を購入。
 皮の服ってよりは皮の鎧って感じだな。

「ならば! 『ジャージ』プラス『皮の服』――二刀流!!」
 思わずジョジョ立ちしてしまう俺。これがジョジョならゴゴゴゴゴと文字が出てるくらいだ。

「二刀流じゃないじゃん」
「せっかくノッてるんだから言うなよ――って誰?」
 思わず振り向くと、女がクスクスと笑っていた。
 む、乳がデカい。乳スカウター発動!
 87……88……89……90……バカな、まだ上昇していくだと!

「あなた、昨夜草むらで覗いてたでしょ?」
 /(^o^)\ナンテコッタイ

 というわけで、3日目の朝を迎えました。
 何が起きたかポケモン風に表現だけしておこう。
 つきのひかり
 てんしのキッス
 あまえる
 くすぐる
 メロメロ
 かたくなる
 したでなめる
 がまん
 あくまのキッス
 どくどく
 たくわえる
 のみこむ
 はきだす
 ちいさくなる
 てだすけ
 メガホーン
 のしかかり
 つのでつく
 からみつく
 みだれづき
 しめつける
 こらえる
 はなびらのまい
 だくりゅう
 しおふき
 アンコール
 ねむる
 あさのひざし

   ご 馳 走 様 で し た 。

「どおりゃああああああああああああああああああ!!」
 俺は今、ラダトーム→ガライ間を爆走している。
 鬼気迫る顔をしているのか、モンスターも寄ってこない。
 途中で何匹かスライムを轢いた気がするが、気のせいだ。
 ダンジョン練習場として配置されたであろうロトの洞窟はすでにスルー。

「ダメだ……」
 運動不足が祟ったのか、それとも昨夜の運動が祟ったのか、体が休憩を求めている。
 少し休むか……いや、ダメだ。
 何としても今日中に――少しでも早くガライの町に着かなくては。
 ただでさえ昨日一日を無駄に費やしてしまったんだ。ここで取り返さなくてどうする。

 萎えつつある俺の気力を取り戻すべく、目をつぶって思い出す。
 ――竜王の呪いで変わり果ててしまったモモたん。
 ――良きパートナーであったモモたんを殺さなくてはならなかった剣神勇者の悲しみを。
 こみあげてくる深い悲しみと怒り……

「震えるぞハート! 燃え尽きるほどヒート!! ぬおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」

 人間、やればできるもので。
 ラダトーム城下町を出ておよそ40分でガライの町に着きました。


レベル:6
HP:21/21
MP:17/17
攻撃:18
防御:14
すばやさ:6
E:棍棒
E:ジャージ+皮の服
E:皮の盾

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もし目が覚めたらそこがDQ世界の宿屋だったら@2ch 保管庫