こんばんは、俺です。
 ついさっきの話ですが、ゆう帝が仲間になりました。
 包み隠さずに全てを打ち明けた俺に対し、ゆう帝は快く協力してくれると言ってくれました。
 さすがはドラゴンクエストの生みの親。心が広い。
               . -―- .
             /       ヽ
          //         ',      俺の言葉を
            | { _____  |        平然と信じてくれるッ!
        (⌒ヽ7´        ``ヒニ¨ヽ
        ヽ、..二二二二二二二. -r‐''′     そこにシビれる!
        /´ 〉'">、、,,.ィ二¨' {.  ヽ     _ _      あこがれるゥ!
         `r、| ゙._(9,)Y´_(9_l′ )  (  , -'′ `¨¨´ ̄`ヽ、
         {(,| `'''7、,. 、 ⌒  |/ニY {               \
           ヾ|   ^'^ ′-、 ,ノr')リ  ,ゝ、ー`――-'- ∠,_  ノ
           |   「匸匸匚| '"|ィ'( (,ノ,r'゙へ. ̄ ̄,二ニ、゙}了
    , ヘー‐- 、 l  | /^''⌒|  | | ,ゝ )、,>(_9,`!i!}i!ィ_9,) |人
  -‐ノ .ヘー‐-ィ ヽ  !‐}__,..ノ  || /-‐ヽ|   -イ,__,.>‐  ハ }
 ''"//ヽー、  ノヽ∧ `ー一'´ / |′ 丿!  , -===- 、  }くー- ..._
  //^\  ヾ-、 :| ハ   ̄ / ノ |.  { {ハ.  V'二'二ソ  ノ| |    `ヽ
,ノ   ヽ,_ ヽノヽ_)ノ:l 'ーー<.  /  |.  ヽヽヽ._ `二¨´ /ノ ノ
/    <^_,.イ `r‐'゙ :::ヽ  \ `丶、  |、   \\'ー--‐''"//
\___,/|  !  ::::::l、  \  \| \   \ヽ   / ノ

 そんなこんなで今は二人と別行動。
 積もる話もあるだろうし、俺に対する話もしてるはず。
 んで、今の俺は何をしているかと言いますと。
 THE・入浴。
 マイラの村といえば温泉ですよ温泉。
 もっと言うなら混浴ですよ混浴!!ヒャッホーイ!!1!11!

 わたくし思うに、風呂に水着を着て入るといった行為は許されないことなのですよ。
 肌着ですか?あれもダメ。風呂を温泉を混浴を、いや、それ以上に色々と期待する男達を裏切る行為じゃありませんか!
 もしあなたが女で、水着を着て混浴に入ったとしましょう。
 オンドゥルルラギッタンディスカー!!と叫ばれること間違いありません。誰も叫ばなくてもこの俺が叫ぶ!
 とまれ、混浴に対する冒涜行為を減らすため、こうしてマイラ温泉(たった今命名)に浸かっているわけです。
 べ、別に女の裸が見たいからじゃないんだからねっ!

 茹でダコのように真っ赤になった俺が温泉から上がったのは2時間後のことである。
 いや、わかっちゃいたんだけどね。
 わかっちゃいるけどやめられなねぇって植木等さんだって言ってるじゃないか。
 はあ……現実は厳しいよ。

『キャー! のび太さんのエッチ!』
 みたいなイベントがあったっていいじゃない。そのくらい夢見たっていいじゃない。
 あのメガネにはあって俺にはない。
 あれか、俺の机の引き出しがタイムマシンの入り口じゃないからなのか?
 現実は厳しいねえ、厳しいよ。


 ……取り乱しすぎた。
 ここ数日、風呂にさえ入ってなかったことを考えると、久々の入浴ができたと思えばそれでいい。
 うん、それでいいのさ。
 うん……。

 ションボリと宿屋に戻った俺を迎えたのは、実戦慣れのためにしばらくマイラに逗留しようと言ってきたミヤ王とゆう帝だった。
 てことは、もしかしてまだ温泉に入れるってことでFA?
 キタキタキタキタ━━━(゚∀゚≡(゚∀゚≡゚∀゚)≡゚∀゚)━━━━!!

「やってやるぜ!」
 矢尾一樹ばりの声でガッツポーズまで決めた俺。
 ドン引きされてるのは仕方がない。
 明日からの混浴――もとい、修行を考えると身が引き締まる思いだ。うん、ホントに。

 翌日。ミヤ王、ゆう帝の宣言通りにマイラ周辺で魔物相手に実戦を始めていた。
 この周辺の魔物はスライム、スライムベス、ドラキー、ゴーストに加えて大さそり、魔法使い、メイジドラキー、骸骨である。

「注意するのは魔法使いのギラと骸骨だな」
「ギラ自体は大したダメージにはならないし、ギラを浴びてもすぐにホイミをかけるから安心してください」
 できるか。俺は超人じゃねえんだ。
 そもそも、俺とお前らとのレベル差を考慮しろ。
 ある程度は戦えるといってもスライムやドラキーを相手にした場合だぞ。

「だから、ここいらの敵に苦戦しない程度まで強くなるんでしょう」
「ギラ程度のダメージを恐れるようではこれから先厳しいことになるぞ」
 それを言われると困る。
 俺が戦う相手の竜王はベギラマや火炎の息を平然と吐いてくるような化物だしな。
 ダースドラゴンやスターキメラ、死神の騎士の攻撃なんかは今までよりもずっと痛いんだろう。

「こうなったら腹括るか。本当にすぐに回復頼むぞ?」
「任せてください。ギラ程度のダメージは簡単に治してみせますよ」
 すぐに回復しろよ、すぐに回復するんだぞ、と何度も確認しておきたいがやめておいた。
 俺はダチョウ倶楽部じゃないんだ、ネタ振りと勘違いして回復されなかったら大変だ。
 ――などとバカなことを考えていると魔法使いが現れていた。
 くそ、本当に出てくるんじゃねえ。

「うらあ!」
 魔法使いがギラ放つ前に先制攻撃。
 一撃入魂の棍棒を振りかぶって、そのまま魔法使いの頭上へ――!

 棍棒が根元から折れたと理解したのは、魔法使いが死の間際に放ったギラを無防備な体で浴びてからのことだ。

 棍棒蛾物故割れたwwwwwwwwwwww
 なんて草生やしてる場合じゃねえな。

「……マジ?」
 半ば呆然と口にしたのはミヤ王が魔法使いをぶった切ってからのことだ。
 手元には剣で言う柄の部分しかなく、釘が生えている棍棒は足元に転がっている。
 こうなってしまっては、棍棒もただの釘の生えた塊でしかない。
 焚き木くらいには使えるだろうが武器としては無理だよなあ。

「棍棒ってこんなに簡単に壊れるもんなの?」
「メタルスライムを叩いても壊れないくらい頑丈にできてるはずですが……」
「じゃあこれはどういうこと?」
「元々壊れてたとか……」
「買って5日目なのに?」
「……武器屋に行くか」

 マイラに置いてある武器は銅の剣か鉄の斧……だったな。
 ゲームなら攻撃力の面で鉄の斧一択なんだが、実際はそうはいかないらしい。
「戦いのスタイルは武器によって変わるといっても過言じゃない」
 とのことだ。
 殴ることを主体とした棍棒と斬ることを主体とした剣では確かに戦闘スタイルが違う。
 だが、鋳型に青銅を流し込んだだけの銅の剣よりは鉄の斧の方が……。

「剣ならあることはありますよ」
 武器屋に向かう最中、ゆう帝が言った。

「マジで?」
「ええ」
「なんだよー、最初から渡してくれよー」
「ですがね……扱いにくいんですよ」
「ああ、アレか」
 躊躇うゆう帝に、何か知っているかのようなミヤ王。
 まさか破壊の剣ってオチはねえだろうな。
「この剣だ」
 ゆう帝が宿屋から持ってきた剣は変わった形をしていた。
 変わったと言っても、剣の先がバイブになってるわけでもミサイルが出てくるわけでもない。
 濃いオレンジ色の刀身は、燃え盛る炎の形を象っていた。

「炎の剣……か?」
「知ってるのか?」
「いや……」
 公式ガイドブックで見ただけだがそんなこと言えるはずもなく曖昧に言葉を濁す。

「以前メルキドの旅商人から買ったんだが、どうも扱いにくい剣でな」
「私達向きの剣ではないから売ろうかどうか迷ってたんですよ」
「試してみるか?」
 手渡された炎の剣は見た目よりは軽かった。
 喩えるなら……すまん、思いつかない。そもそも何を喩えようとしたのかもわかんね。

 気を取り直し、炎の剣を構えて振ってみる。
 ――軽い。
 金属を使ってるはずなのに棍棒と同じくらいの重さでしかない。
 もしかしてミヤ王の装備している鋼鉄の剣より軽いんじゃないだろうか。

「随分軽々と……」
「扱ってますね……」
 ミヤ王とゆう帝には悪いが、どこが扱いにくい剣なのかわからない。
 剣なんてのは小学生の頃に傘でアバンストラッシュした程度だが、これは扱いやすいってことくらいわかる。
 もしかしてこれが装備できる奴とできない奴の違いってことか?

「ついでに試し切りもしてみては?」
 二人の間では炎の剣は俺が使うことになったようだ。
 異論はないし、返せといったところで返す気もないがね!
 故人曰く――『お前のものは俺のもの、俺のものは俺のもの』
 ビバ!ジャイアニズム!!

 結論から言おう。炎の剣は使いやすい。
 試しに魔法使いや骸骨と戦ってみたが、面白いほどサクサク斬れた。
 ちなみにギラは多少食らったが想像していたほどのダメージではない。痛いし熱いけど我慢すれば何とかなる。
 俺のレベルが上がったからかもしれない。
 もしかしたら竜王斃せるんじゃね?
 みwwwなwwwぎwwwっwwwてwwwきwwwたwwwwwwwwwwww

「落ち着け。今竜王に挑んでも死ぬだけだ」
「ですね。強いのは炎の剣のおかげですし」
        盛
             り
                 上
                     が
                        っ
                          て
                           参
                             り
                              ま
                               し
                               た
 俺涙目wwwwwwwwwwwwwwwwww
 大人しく魔法使いや骸骨相手に実戦経験でも積むとしよう。

LV:9
HP:30/34
MP:20/20
攻撃力:54 防御力:23 素早さ:11
E:炎の剣 E:ジャージ+皮の服 E:皮の盾

ページ先頭へ
もし目が覚めたらそこがDQ世界の宿屋だったら@2ch 保管庫